01 あるひとつの出会い


1828年以来、ゲランの中心にあるのはフレグランスと芸術を愛する心です。メゾンはいつも驚くべきクリエーションを生み出す才能を見出し続けてきました。「時が止まる」ような出会い。ゲランとフランス人コンテンポラリーアーティスト、クロディーヌ・ドレとの出会いはまさに感覚を失うような出会いでした。

02 「フレグランスとは目に見えないものが姿を変えた形」


洗練された、はかない純白のホワイトに身をゆだねる。クロディーヌ・ドレの世界観をあらわす色。夢と現実のはざまにある、このアーティストの感覚的で微細な純白の世界が、残り香というとらえがたい魔法の使い手であるゲラン調香師にインスピレーションを与え、「ルール ブランシュ」が誕生しました。フランスの造形芸術家、クロディーヌ・ドレは物質と非物質、絵画と彫刻、形跡と半透明、出現と消失の関係をテーマに掲げており、その作品にリズム、サイン、言葉、香りを結びつけています。

「最初の試作品を嗅いだときに、クロディーヌ ドレは現実の向こう側を夢見ることを提案しました。私たちはすぐさま、ふたたび調香に取り掛かり、そうして今、私たちの感性によってこれが生まれたのです」

デルフィーヌ ジェルク
ゲラン フレグランス

03 「時間の魂」


2018年はメゾン ゲランとクロディーヌ・ドレが出会った年です。パリのシャンゼリゼ大通り68番地で開催された展覧会「時間の魂」に際し、同アーティストは迷宮のようなインスタレーションを手がけ、曰く言いがたいシルエットで抽象的なフォルムを帯びた、詩情豊かな紙の作品を発表しました。調香師デルフィーヌ・ジェルクとティエリー・ワッサーはアーティストの世界観からインスピレーションを得て、この展覧会に際し、非物質的な香りを調香しました。

04 フレグランス
「ルール ブランシュ」


アーティストのアトリエを訪問し、独特の詩情豊かな世界観からインスピレーションを得たデルフィーヌ・ジェルクとティエリー・ワッサーは、直観的にホワイトを想起させる素材を選択することにしました。ミルキーな香り、ムスクの香り…さらに紙の彫刻というアイデアにはアイリスを結びつけました。アーティストの世界観に浸ったデルフィーヌ・ジェルクは言います。「クロディーヌ・ドレの作品はすぐに私の心に響きました。純白で甘美な世界観、女性や天使のイメージ、はっきりとはわからない...夢と現実のはざまにある世界」。天使のような、ピュアなホワイトフローラルの香りがきらめくウォーターノートとまろやかなミルキーノートに包まれて無限に広がり、アイリス、ムスク、ホワイトアンバーのパウダリーな甘やかさに包み込まれます。このフレグランスの中心にあるホワイトムスクの香りは、合成原料を独自に調香したクリエーションで、なめらかでセンシュアルな肌の香りを想起させます。

「フレグランスで、私たちは視覚ではなく、呼吸という形で世界に入り込むのです」

クロディーヌ ドレ
フランスの造形作家

05 本来的
にゲランの
名称


この「ルール ブランシュ」という名称は、メゾン ゲランにとって最も大切な思い出のひとつを想起させるものです。1912年に誕生した「ルール ブルー」は日暮れの瞬間を切り取ったフレグランス。「夜、星の瞬きを目にする前の夕闇の瞬間」と、ジャック・ゲランは述べています。儚さを演出し、止まった時間を賛美する、謎めいていて、おぼろげな「ルール ブランシュ」。それは漠然としたものをとらえるフレグランス。新世界の始まり、未知なる場所への期待感が高まります。

06 純白のビ
ーボトル


天使のようなフレグランスを収める優美なボックス。メゾンを象徴するビーボトルが特別に無釉のマットホワイトを纏い、ムスキーフローラルのオーデパルファムを昇華させます。1853年以来ゲランの遺産を象徴するこのボトルは、メゾンの歴史的なガラス工であるポシェ デュ クルヴァルが制作し続けてきました。アトリエ ゲランが誇る「ダム・ドゥ・ターブル」(テーブルのマダム)はボトルに優美なシルクリボンを装飾し、秘密のメッセージを運びます。

ボトルの大きさ (縦 × 横 × 深さ) :
7,5 x 16,5 x 20 cm