軽量化および簡素化

ゲランでは、可能な限り過剰包装を避け、各パッケージに含まれるフォーミュラの量に合わせて、重量対容量比を最適化しています。

この考え方は、これまで以上に軽量化されたジャーやボトル、外箱の段階的なスリム化、包装レイヤーの削減に反映されています。ゲランでは新製品の開発やリニューアルのたびに、新たな課題に挑んでいます。

構造化された定量的なアプローチを追求

ゲランでは、将来のエコデザインやパッケージの選定に際し、ライフサイクルアセスメント（LCA）による科学的に証明されたデータを指針としています。

2020年から2024年にかけて合計15回（年3回）のLCA比較を実施し、素材による環境への影響、新しいリサイクルプラスチック技術の利点、リフィルシステム導入による効果について、明確で客観的な知見を得ています。

2018年からリフィル対応を導入した〈ルージュジェ〉は、パーソナライゼーションの芸術を象徴する製品です。定期的に新デザインが登場するケースは、思わず集めたくなるオブジェとして、詰め替えて長く愛用できるようデザインされています。

2024年には新デザインを導入し、19%の軽量化と金属使用量の33%削減を実現するとともに、製造工程を最適化しました。これにより、CO₂排出量が全体で30%削減されました。

ライフサイクル分析では、1つのケースで10回リフィルを使用すると、フルパッケージ製品を10個購入する場合に比べてCO₂排出量が60%削減されることが示されました。

ゲランの製品の意思決定や開発プロセスには、エコデザイン戦略が厳格に組み込まれています。この戦略を支えているのが、すべての部門で行う研修と取り組みに加え、LVMHグループが開発した高性能のツール「EDIBOX」を用いたパッケージの環境負荷測定です。

EDIBOXは、環境パフォーマンス指数（EPI）を算出し、エコデザインの規定がどの程度適用されているかを評価するものです。発売ごとに継続的な改善を図ること、そして、2030年までにすべての製品で100点中60点以上のスコアを達成することの2つを目標としています。

LVMHが掲げる「LIFE 360プログラム」の目標達成に向けて、さらなる厳格化を実施するため、2024年にはEDIBOXが改良されました。従来の20点満点から100点満点方式へと移行し、より精度の高いメソッドが採用されています。

農業と教育のためのラボラトリー