2023年、Lee Ufan Arlesとゲランは「Art & Environment Prize」を共同設立いたしました。この賞は毎年、芸術と環境の間に生まれる、有意義で多面的なつながりを探究するプロジェクトに贈られます。


賞について

ジャブリル・ブーケナイシは、「消失」「脆さ」といったコンセプトを探求するフランスの新進アーティスト。Art & Environment Prizeに出品した作品は、夜の消失とその現代的な変容がテーマです。彼はペインティングや銅版画といった手法を用いて、夜をはっきりとは描写せず、闇と光のコントラストを駆使することで比喩的に夜を想起させることを試みています。

ジャブリル・ブーケナイシには、Lee Ufan Arlesでの6~8週間にわたるアーティスト イン レジデンスに加えて、アルル中心部に特別な制作スペースが提供されます。

レジデンス期間終了後、ブーケナイシの作品は、Lee Ufan Arles内の「MA Space」にて来年夏季に開催予定のエキシビションで披露されます。

審査員・後援


李禹煥 (アーティスト、審査委員長)


ゲラン:

ガブリエル・サンジュニ・ロドリゲス (プレジデント、CEO)

アン=キャロライン・プラザン (アート・カルチャー・ヘリテージ ディレクター)

アリス・オードワン (サステナビリティ委員会メンバー)


Lee Ufan Arles:

エスラ・チュ (バイスプレジデント)

ジュリエット・ヴィニョン (ジェネラルコーディネーター)

アルフレッド・パックマン (名誉ジェネラルヘリテージキュレーター)


第1回Art & Environment Prizeは、著名な美術史家であり研究者であるフィリップ・ダジョンが後援を務めます。

創造と自然が溶け合うコラボレーション

芸術へのサポートと対話

ゲランは創業以来、さまざまな芸術を結びつける架け橋となっています。現代アーティストとのコラボレーションや、エキシビションの開催、創作活動を支援するアーティスティックなプログラムの設立はその一環です。

芸術をめぐる出会いと対話は、世界的に著名なアーティスト、李禹煥(リ・ウファン)にとっての重要なコンセプトでもあります。

約1,000平方メートルに及ぶ展示スペース「Lee Ufan Arles」は、“息吹を感じる場、暮らしの場、共有の場”として、李禹煥により、フランス・プロヴァンス地方アルルの豊かな文化拠点となることを目指して設立されました。

環境へのコミットメント

石や金属といった素材を用いる李禹煥の作品は、見る人に行動の変化を促し、自然との共生を提起します。

「工業化されたこの社会とありのままの自然との間につながりを与え、その2つの関係性を人々が考えるきっかけになればと思っています。

私の作品は、素材と素材の間に、ある種の緊張感を創り出します。それはやがて、静けさと平穏へと変化していきます。
その均衡を模索しています。」

李禹煥
李禹煥がそうであるように、ゲランも自然との関係を構築しています。

2007年、メゾンは「In the Name of Beauty ― 美の名において」という自然への先駆的な誓いを表明し、自然環境保護を行動の中心に据えています。

「LEE UFAN ARLES」について

アーティスト

1936年に韓国で生まれ、パリ、ニューヨーク、日本を拠点に活動する李禹煥は、ミニマリズムの急進的ムーブメントと並ぶ日本の前衛的な美術運動「もの派」を理論的に主導したアーティストです。

「もの派」には、ヨーロッパで興った芸術運動アルテ・ポーヴェラとの類似性を見ることができます。

李禹煥の彫刻作品には、石と木などの自然物と人工物の関係性が示されています。また、彼の絵画作品に多く見られる単一的な表現は、「無」を暗示し、見る人を沈思へといざないます。

ファウンデーション

アルルの円形闘技場とフォーラム広場の間に位置する、16~18世紀に建てられた私邸オテル ヴェルノン。その内部、3フロアに及ぶ1,350平方メートルの空間に、画家でありミニマリズムの彫刻家である李禹煥の作品を展示しています。またブックショップ、ストア、思索のための空間、レセプションを併設しています。