2021年9月、ゲランはパリ協定に基づき、産業革命以前の水準と比べ、地球の気温上昇を1.5°C以内に抑えることを目指す科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)に加わりました。
カーボンフットプリントとSBTiの目標
科学的な測定、枠組み、管理による気候変動への取り組みSBTi:パリ協定に整合する目標
ゲランは、3つのスコープすべてにおいて2030年までの削減目標を掲げ、その達成に向けて順調に進んでいます。
スコープ1および2:2022年には、早くも削減目標を達成
2021年にバイオメタンへ転換した生産拠点「ラ・リュッシュ」をはじめ、ゲランは100%再生可能エネルギーの導入により、年間1,000トン(CO₂換算)のカーボンフットプリント削減を実現しました。これは、基準年である2019年のスコープ1および2の排出量1,559トンの3分の2に相当します。
この主な施策に加え、ゲランはエネルギー消費量が多い拠点を中心に、定期的なエネルギー監査と効率化のためのアクションを実施しています。
スコープ3:上流を削減、下流を再構築
ゲランのカーボンフットプリントの大部分を占めるのがスコープ3です。排出源の中でも、特に輸送、しかも下流輸送が改善の鍵を握ります。
2023年には、下流物流が合計排出量(全スコープ)の40%を占めていました。この影響を認識し、ゲランは各子会社と連携し、航空輸送の削減と海上輸送への切り替えに取り組んでいます。その結果、対象製品(トン)における海上輸送の比率は2022年の39%から、2024年は65%にまで増加しました。
重量対容量比を削減したパッケージのエコデザインと、新製品発売時の予測管理も、カーボンフットプリントの軽減施策の注力分野となっています。
カーボン・コントリビューション:アゴテラとのパートナーシップ
削減困難な残留排出に対する取り組みとして、ゲランは2024年、フレグランス用オーガニックアルコールに使用するビーツを栽培するゴメ・ラ・ヴィルの149ヘクタールの農場に対し、資金援助を行うことを決定しました。同社は以下の施策を通じて、今後5年間で567トン(CO₂換算)の排出量削減を目指しています。
- 被覆作物によるバイオマスの増加
- ミネラル窒素の使用削減
これらの対策は、生物多様性の向上、土壌侵食の防止、大気・水質の改善といった副次的効果ももたらします。